牛丼チェーン御三家といえば,吉野家ホールディングス(HD)の吉野家,ゼンショーホールディングスのすき家.松屋フーズの松屋の3社だ. さらに付け加えると,ゼンショーのなか卯(なかう)や神戸らんぷ亭が入るだろうか.
吉野家の原点,築地1号店
20081230_東京都中央卸売市場_築地市場_1034_DSC0728920081230_東京都中央卸売市場_築地市場_1034_DSC07290
一昔前,牛丼屋といえば吉野家(通称,よしぎゅう)だった. 並盛 120円だった牛丼は,1966年に 200円. 1975年には,並盛 300円となっていた.
20081230_東京都中央卸売市場_築地市場_1034_DSC0729220081230_東京都中央卸売市場_築地市場_1034_DSC07291
だが吉野家は,コストダウンのために取り入れた粉末たれや,輸入牛肉不足を補うためおこなったフリーズドライの乾燥牛肉導入により,吉野家牛丼はマズイという声がどんどん広がっていく.
吉野家中山競馬場前店.
20100926_市川市若宮3_吉野家中山競馬場前店_1114_DSC0142920100926_市川市若宮3_吉野家中山競馬場前店_1114_DSC01431
それが原因で客が離れていき,急激な店舗展開の費用が経営を圧迫. ついに 1980年7月に,東京地裁へ会社更生法の適用を申請し,経営破たんとなってしまった. 120億円の負債だった. その後,セゾングループの支援で再建された.
すき家西船橋店.
20100516_船橋市山野町10_すき家西船橋店_1051_DSC0888820100516_船橋市山野町10_すき家西船橋店_1051_DSC08884
1990年は,バブル期終焉の時期で牛丼並盛400円にもなっていた. その価格破壊を仕掛けたのが,神戸らんぷ亭だった. 1995年当時,400円が普通だった牛丼を,持ち帰り牛丼並盛に限り,期間限定で 400円から 290円に値下げしたのだ.
20100516_船橋市山野町10_すき家西船橋店_1121_DSC0897820100516_船橋市山野町10_すき家西船橋店_1051_DSC08885
追従するように松屋も,2000年9月に牛めし並盛を 390円から 290円にした. 人気が出たため,そのまま継続販売し,低価格牛丼が定着することになる.
なか卯船橋前原東店.
20110925_船橋市前原東1_なか卯船橋前原東店_1332_DSC0527320110925_船橋市前原東1_なか卯船橋前原東店_1332_DSC05274
さらに,2001年3月からすき家牛丼並盛を,400円から 280円に値下げ. ついに吉野家も,2001年4月に期間限定で牛丼並盛 400円から 250円となり,熾烈な牛丼価格戦争となっていく.
▼西船橋駅北口の松屋西船橋店.
20101010_船橋市西船4_松屋西船橋店_西船橋駅北口_1521_DSC0494720101010_船橋市西船4_松屋西船橋店_西船橋駅北口_1521_DSC04951T
だが,2004年2月の BSE(狂牛病)の影響で,牛丼の販売が前面休止したことから,牛丼価格戦争も休戦となる.
神戸らんぷ亭海浜幕張店.
20111204_牛丼_千葉市_神戸らんぷ亭_海浜幕張店_1259_DSC0374020111204_牛丼_千葉市_神戸らんぷ亭_海浜幕張店_1259_DSC03738
神戸らんぷ亭すき家がオーストラリア産の牛肉へ切り替え,松屋も中国産とオーストラリア産の牛肉を採用して,いち早く牛丼販売を再開した.
20050203_吉野家_限定牛丼復活_1330_1319_DSC0516620050203_吉野家_限定牛丼復活_1330_1319_DSC05168
一方吉野家は,過去の経営破たんの原因になった品質問題の経験から,米国産牛肉にこだわった. 過去の失敗から,最後まで品質にこだわったからだ...
続きを読む