2011年3月11日(金) 14:46 ごろ発生した,非常に強い東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により引き起こされた激しい揺れや大津波で,東京電力(東電)福島第1原子力発電所原子炉使用済核燃料プールを冷やすための電源喪失(冷却喪失)が起きてしまった.
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かろうじて,冷やすことはできているものの,東京電力福島第1原子力発電所からの放射能放出は止まっていない. 冷却のために入れている水が沸騰し,放射能を含んだ水蒸気となって舞い上がっている.
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福島第1原発の,2011年3月15日前後に起きた爆発と,3月20日ごろの爆発(正式には認めていない)によって,関東圏も広く放射能に汚染されてしまった. 当時は,かなりの量の放射能物質が降っていたと思われるが,東京電力や政府(官邸)らがこれらの事実を隠ぺいしたため,一般市民はそのリスクを回避することができなかった.
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最近になり,ようやく政府の戒厳令が緩まり,地方自治体からも情報公開がされるようになってきている. しかしながら,放射線量測定機器(放射線量計)の不足から,十分な情報公開とはなっていない. このような状況の中,子どもを持つ保護者らが,共同で高価な放射線量計を購入し初めている. 放射線量計は,通称ガイガーカウンタと言われているものだ.
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では,その放射線量計は購入できるのだろうか. また,どうすれば,手に入るのだろうか..
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店頭販売されている場所で,まず思いつくのは東京秋葉原だろう. 秋葉原では,今回の福島第1原発事故が起きる前から店頭販売をしていたが,一般市民の関心もなく細々と販売している程度だった.
▼デンキの殿堂秋葉原.
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だが,福島第1原発事故が起きた後,秋葉原から放射線量計が消えてしまった. 在庫も含めてすべて売り切れてしまったからだ. そしてようやく出始めたのは4月下旬になってからだ. 現在,秋葉原で売られている放射線量計のほとんどが,中国製だ.
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携帯型放射線量計にも色々種類があり,価格もおおよそ5万円から30万円と価格幅も広い. 個人が購入できる額にも限度があるため,5万円程度のものがよく売れているようだ. 福島第1原発事故が起きる前の価格と比べると,約2-3万円値上げされているようだ. 販売価格は,需要と供給バランスの結果ではあるが,足元を見たこのような値付けはどのようなものだろうか.
▼2011年6月9日ごろの放射線量計の価格. ▼個人では,なかなか手が出せない.
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携帯型の放射線量計は,検出器の違いにより大きく2種類ある. ヘリウムやネオン,アルゴンといった不活性ガスを入れたガイガーミュラー計数管(GM管)と,タリウム活性化ヨウ化ナトリウム[NaI(Tl)]結晶などの個体シンチレーション検出器を使ったものだ. ガイガーミュラー計数管放射線が計測できるしくみは,不活性ガであるヘリウムガスなどと連続放電阻止ガスで充たされた管の中に,陽極と陰極になる2本のリード線を離して配置し,放電する寸前の直流高電圧を掛けておく. そこに放射線が飛び込んでくると,放射線により電極間で放電が起こり,一瞬電気が流れる. 単位時間あたり,何回電気が流れたかを数えればガイガーカウンターとなる. ガイガーミュラー計数管に高電圧をかける回路さえ作れば,AMラジオをでも放射線が飛んでいるようすを音で聞くことができる.
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放射線には,アルファ粒子線(α線),ベータ粒子線(β線),ガンマ線(γ線)およびエックス線(x線)がある. 個体シンチレーション検出器は,ベータ粒子線(β線)の検出は苦手だが,ガンマ線(γ線)の検出には優れている. 携帯型放射線量計では,アルファ粒子線(α線)の検出は技術的に難しいと言われている.
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気体よりも個体の方が密度が高いので,より多くの放射線を検出することができる. そのため,個体シンチレーション検出器(シンチレーションカウンタ)の方が,5倍から10倍感度が高い.
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