2011年3月11日(金) 14:46 ごろ発生した,非常に強い東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により引き起こされた激しい揺れや大津波で,東京電力福島第1原子力発電所の原子炉使用済核燃料プール電源喪失(冷却喪失)が起きてしまった.
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東京電力(東電)の懸命な作業にもかかわらず,放射能漏れは,いまだに止まっていない. ふたたび核分裂反応を起こす再臨界に,いつなってもおかしくない状況が続いている.
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よく区別されなく使われることが多いが,放射能放射線だ. 放射能(放射性物質)から出てくるのが,放射線で,200km も離れた福島第1原子力発電所から放射線が直接飛んでくるわけではない. 物は,より安定したものへ変化しようとする. その過程で,放射線を出す. つまり,放射能とは,「安定していない状態の物質」のことで,その物質が関東圏にも飛散していることになる.
▼アナログ式放射線測定器. ▼かなり大きく思い. ▼今は,ほとんどがデジタル式になっている.
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また,放射性物質には,すぐに放射線の力がすぐに弱まるものと,なかなか弱くならないものがある. たとえば,半減期8日のヨウ素131,半減期30年のセシウム137などだ. 半減期とは,放射線量が半分になるまでの期間をいう.
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放射線の種類としては,アルファ粒子線(α線),ベータ粒子線(β線),ガンマ線(γ線)およびエックス線(x線)がある. γ線x線の関係は,電波=>赤外線=>可視光線=>紫外線=>x線=>γ線という関係があリ,γ線の方がより波長が短い(エネルギーが高い).
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また,放射能物質(核種)によって,放射線の種類が異なる. たとえば,ヨウ素131-133 がα線+γ線,セシウム134/137 がβ線+γ線,ストロンチウム90 がβ線といった具合だ.
▼ガイガーミュラー計数管を4本使った放射線量計.
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では,どうして放射線は体に悪いのだろうか...
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これらの放射線が,体の細胞内の DNA を損傷させることがある. 軽度の DNA 損傷は修復されるか,細胞そのものが自滅する. 問題なのは,DNA が損傷したままその細胞がコピーされていく場合だ. このように,誤ってコピーされた細胞が 3年から 10年といった長い年月をかけて蓄積されていき,白血病ガンなどを引き起こす. 白血病で 3年後,甲状腺ガンで 5年後に病状がでるといわれている.
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人の体が放射線を受けた時,その影響の程度を測るものさしとして使われる単位が シーベルト(Sv)だ. 1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv),1ミリシーベルト(mSv)=1000マイクロシーベルト(μSv)となる. これらの数値を,年単位で表現しているのか,時間単位で表現しているのかが重要となる.
▼今,手に入る放射線量計のほとんどが中国製だ. ▼粗悪品もあるので,要注意だ. ▼れなりに数値は出るが,安定していなかったりすることもある.
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たとえば,1時間当たり 2.2マイクロシーベルト(μSv/h) の場合の年間放射線量は,2.2μSv/h X 24時間 X 365日 = 19ミリシーベルト(mSv/y) となる. 少し前までは,厚生労働省の暫定基準が,年間 20ミリシーベルト(mSv/y) だったが,福島のお母さんたちが立ち上がり,この基準の見直しを求め,技術的な根拠もなかったこともあり撤回された. 実際には,屋内にいる場合と屋外にいる場合で,放射線量が異なるため,補正されることもある.
▼一番安い,放射線量計. ▼最低単位が 10mSv 単位となるため,カバンなどに丸1年貼っておくつもりなら使えそうだ.
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市販されている放射線量計が測定できるのは,基本的には空間放射線量(外部被爆)と表面放射線量だけだ. そのほかにも,呼吸による内部被曝や,水と食物による内部被曝も含まれるため,これらも加算しなければならない. 特に,食料品に気をつけて内部被曝を少なくする努力が必要となってくる.
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政府は,外部被曝と内部被曝の合計が毎時 0.6マイクロシーベルト(μSv/h) 以上の区域を放射線管理区域としている. 福島では,放射線管理区域以上のレベルの地域に,今でも30万人の子どもが生活をしている. 放射線管理区域では,強制退去ではないものの,十分に注意をすることが必要とされている.
アルファ粒子線(α線),ベータ粒子線(β線)は,皮膚を通過できないので外部被爆の影響はほとんどないとされている. ガンマ線(γ線)は,1mm 程度のアルミニュウム板ならば,余裕で通過してしまう. ▼この特性の違いを使って,アルファ粒子線(α線),ベータ粒子線(β線)を測定するが,携帯型放射線計測器ではかなり誤差が出るので参考数値程度で扱った方がよさそうだ.
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政府がよく「ただちに健康に影響は出ない」とする時に引用されるのが,国際放射線防護委員会(ICRP) の基準だ. だが,この ICRP も基本的には原子力推進団体のひとつでもある. それでも,平常時は「年間1ミリシーベルト(mSv/y) 以下まで線量を下げる努力を続けることが必要」としている. また,「どんな低線量でもリスクはゼロではない」とする立場をとっている. また,欧州放射線リスク委員会(ECRR)では,「低線量だからといって必ずしもリスクは小さくならない」としている. 欧州放射線リスク委員会(ECRR)のリスク基準値は年間 0.1ミリシーベルト(mSv/y) となっている.
▼測定する放射線検出の部分にアルミニュウム板をはめ込むことによって,アルファ粒子線(α線)とベータ粒子線(β線)を検出できるタイプ. ▼ただし,かなり誤差が出るといわれている.
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国際放射線防護委員会(ICRP)の基準値,年間 1ミリシーベルト(mSv/y) で単純に計算してみると,毎時 0.114マイクロシーベルト(μSv/h)となる. 当然,外部被曝と内部被曝の合計をこの範囲におさめないといけない.
▼レバーを倒すことによって,測定する放射線検出の部分にアルミニュウム板を開閉するタイプ.
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関東圏で一番厳しい基準といわれているのが,千葉県野田市だ. 国際放射線防護委員会(ICRP)の年間 1ミリシーベルト(mSv/y) を基準に決定したものであり,毎時 0.19マイクロシーベルト(μSv/h)としている(多少補正しているようだ). 埼玉県川口市が 0.31マイクロシーベルト(μSv/h)なのでかなり厳しい(屋外8時間,屋内16時間で算出し,屋内は,屋外の数値に係数0.4を掛けている). なお,国の基準値は, 0.60マイクロシーベルト(μSv/h) で,高すぎるという批判もある. また,あくまでも,福島県内の基準であり,これを関東圏に適用をしていない.
シンチレーション検出器を使った日本製放射線量計. ▼ガイガーミュラー計数管は,内部にヘリウムやネオン,アルゴンといった不活性ガスを使っているのに対して,シンチレーション検出器は固体となっている. ▼シンチレーション検出器は,密度が高い分放射線検出精度が良い. ▼ガイガーミュラー計数管に比較して,5倍から 10倍感度が良いとされている. ▼小数点以下3桁表示となっている. ▼ベータ線,ガンマ線の測定はできない. ▼日産自動車が輸出向けの車の検査に使っている. ▼価格は,約13万円. ▼個人が購入するのには,かなり高額だ.
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この野田市独自の基準をもとに,毎時 0.19マイクロシーベルト(μSv/h) を超えると,立ち入り制限とし,幼稚園や小中学校などではすぐに対策をおこなう. すでに,放射線量が基準より超過した保育所の砂場などを,立ち入り制限にしている.
シンチレーション検出器を使っている米国製カードサイズの放射線量計. ▼小型で,比較的安いためお勧め. ▼それでも,今なら 5万円くらいだろうか. ▼東京秋葉原でも購入できる.
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地球上で核実験がおこなわれる前の関東の自然放射能は 0.044-0.079マイクロシーベルト(μSv/h)だったといわれている.
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