2011年3月11日(金) 14:46 ごろ,東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した. 東北岩手三陸沖や宮城県沖,茨城県沖を震源とする巨大地震となった.
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この地震によって,東京電力(東電)福島第1原子力発電所の1号炉から6号炉が停止した(5号炉,6号炉と4号炉は定期点検で停止). 特に,耐用年数を伸ばしてきた1号炉は,ダメージが大きかったといわれている.
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また,地震によって引き起こされた激しい揺れや大津波により,原子炉使用済核燃料プールを冷却するために必要な外部電源や非常用ディーゼル発電など,全ての電源が失われた. いわゆる,起きてはならぬ電源喪失(冷却喪失)が起きてしまったのだ.
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そして,2011年3月12日(土) 15:36 1号炉建屋が水素爆発した. そのようすは中継され,世界中が驚愕(きょうがく)した.
▼福島第1原子力発電所3号炉. ▼海外の専門家からは,初期の段階から「再臨界に達したために爆発した」といわれていた.
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内閣官房長官枝野幸男(えだのゆきお)からは,水素爆発のため,「ただちに健康に影響はない」という説明のみだった(最近は「原発がという意味で,健康という意味ではない」と言い出している). まるで,「中学校の水素爆発の実験のようなもので何か問題ありますか」と言わんばかりだ...
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▼左写真が,原発事故NHKテレビ風の予報だった. ▼だが,すぐに,右写真のような風の予報に変わってしまった. ▼なんと,北日本のの予報が海上のみとなってしまったのだ. ▼それでは不自然だったのだろう,の方向をしめす矢印が,笑えるほどデカくなっている. ▼今となって思えば,NHK の最大限の抵抗だったのかもしれない.
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東京電力福島第1原子力発電所から半径 2km の住民に避難指示. さらに 21:23,半径 3km 以内の住民全員に避難命令,半径 3km から 10km 圏内の住民に対し屋内待機の指示が出る. この時の説明では,「あくまでも念のため避難」という説明だった. 各社のテレビに出ていた東大出身の学者や解説者も,口裏を合わせたように同じ説明だった.
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だが,このごまかしはすぐに破綻する. 福島県浜通り地方のみならず,関東圏においてもかなり強い放射線量を観測し始めたからだ.
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それでも,東京電力保安委員,政府(官邸)からは,「どの地域が危ないのか」の説明はされなかった.
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しかし,海外メディアや研究機関からは,詳しい汚染地域が示されていた. それも,結果だけではない. 今後の予測も含んでいる. 日本のコンパスで円を引いた避難地域と大違いだ.
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政府から発表されたのは,福島原子力発電所を中心にコンパスで引いた丸い円のみであった. 日本の報道機関も,これらの海外の情報を報道することはなかった. また報道機関も,現在でも報道規制がかかっていたことを認めていない.
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特に,フランスドイツの汚染予測地図の精度は高い. 多少誤差はあるものの,今見ても役に立つ情報だったことがわかる. すばらしい.
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,ヨーロッパの諸国は,精度の高い放射能飛散予測システムが備わっている. それは,過去にソビエト連邦(現,ウクライナ)で1986年4月26日に起きた,チェルノブイリ原子力発電所4号炉事故により,ヨーロッパ諸国に大きな被害が出たからだ. いまでも,その時のセシウム137を検出している.
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この,汚染予測地図さえあれば,甲状腺ガンの発生抑止効果がある安定ヨウ素剤を,事前に子どもなどに飲ませることも可能だったはずだ. この時すでに,全国の原子力発電所から安定ヨウ素剤がかき集められていた. だが,東京電力やその関係者が飲むことはあっても,それを政府から市民に配られることはなかった. 唯一,福島県三春町などが,独自判断で配ったものだけだった.
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関東圏においても,2011年3月15日以降と3月21日以降の数日は自宅待機とすべきだった. それを知らず,関東圏では普段通り生活をしてしまった.
▼マーカーで引いたような線は,空間放射能測定のための米軍機(米国エネルギー省)が飛んだ経路を示している. ▼SPEEDI の情報がほぼ正しいことを証明している.
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気まぐれな風のこと,「いつどの方向に風が吹くのかわからなかった」というのであれば,しかたがない. しかし,日本にも SPEEDI(スピーディ)というすばらしいシステムがあったのだ. 正式には,緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムといい,拡散予測もできるすばらしいシステムなのだ. しかし,政府はこの情報を隠していた. その理由として,枝野と細野は,SPEEDI は「故障して使い物にならなかった」と説明していた. その後説明がつかなくなったのか,なんと今度は「SPEEDI は欠陥ソフト」と言い出してきた.
▼右図は,最近になってようやく独自の公開がされてきた地方自治体の放射線量を,地図にマッピングしたもの. ▼千葉県としては,我孫子市(あびこし)から,柏市,流山市,松戸市,白井市あたりの地域が高いことがわかる.
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SPEEDI は,文部科学省が所管する天下り法人「(財)原子力安全技術センターが運用している. この放射能拡散予測システムの開発費だけでも 113億円もかけて作られた. システム維持費用だけで,年間2億もかかるのだ. このシステム運営委託費として,原子力安全技術センターに2009年度に約5億円,2010年度には約8億円を払っていた. だが,数回資料を出しただけで,今だに公開はされていない. また,SPEEDI の端末は,原子力発電所がある各都道府県に設置されているが,ここからも情報は出てきていない. 原子力発電所がある県の関係者によると,「原子力安全委が公表するかどうか判断するので,県が勝手に公表してはならないと釘を刺された」という証言がある.
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仮に,枝野と細野が言うように,「SPEEDI は欠陥ソフト」だったとすれば,開発元である富士通に瑕疵(かし)担保責任として,損害賠償請求をしていただきたい. これらは,大切な税金なのだ.
SPEEDIの情報は,二次元(2D)の情報しか公開されていない. ▼実はつぎのように三次元(3D)表示もできる能力をもつ. ▼ぜ,これが公開されないのか理解できない.
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