2011年3月11日(金) 14:46 ごろ,東日本の太平洋側に非常に強い東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した. 東北岩手三陸沖や宮城県沖,茨城県沖を震源とする巨大地震となった.
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この地震によって,東京電力福島第1原子力発電所の1号炉から6号炉が停止した(5号炉,6号炉と4号炉は定期点検で停止していた). また,地震によって引き起こされた大津波により,原子炉使用済核燃料プールを冷却するために必要な外部電源や非常用ディーゼル発電など,全ての電源が失われた. いわゆる,起きてはならぬ電源喪失(冷却喪失)が起きてしまったのだ.
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2011年3月11日(金) 19:03 に枝野幸男官房長官が記者会見にて,原子力緊急事態宣言を発令した. この時,まさか関東圏までに放射能が飛散するとは,誰もが思っていなかったに違いない.
▼技術的な根拠の提示もなく「ただちに健康に影響はない」,「悪い影響示す数値はない」を繰り返す枝野官房長官(官邸).
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2011年3月15日(火)は,東京湾内にまだ津波警報も出ている時期で,JR京葉線も運休となっていて,まだ自宅待機となっていた市民も多かったころだ. この日の朝,関東圏で異変にいち早く気がついていた人たちがいた. 国の研究機関や,企業の研究機関などだ. この異変を察知し,家族をいち早く関西方面に避難させた家庭もあったようだ. 千葉県でも,この異変に気がついていた所があった...
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千葉県柏市の国立がん研究センター東病院や千葉県柏市柏の葉地区の東京大学柏地区キャンパス,千葉市稲毛区山王町の財団法人日本分析センター(JCAC)などだった.
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日本分析センターは,1974年(昭和49年)5月に設立さた文部科学省所管の財団法人だ. 過去にも,1994年にロシア(旧ソ連)の海洋投棄にかかわる日本海の調査. 2004年に沖縄米軍ヘリ墜落事件の調査. 2006年に北朝鮮地下核実験にともなう環境放射能調査. 2007年に起きた新潟県中越沖地震による,東京電力柏崎刈羽原子力発電所事故にともなう海産生物や農作物の放射能調査などをおこなっている. このように,国内唯一の環境放射能や放射線に関する専門機関なのだ.
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東京電力が,測定内容を隠ぺいするなか,日本分析センターは千葉市稲毛区山王町で測定した空間放射線量率の測定結果をいち早く公表している.
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日本分析センターでは,東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響が,2011年3月15日朝から観測され始めた. 2011年3月15日の空間放射線量の上昇は,希ガスであるキセノン133(Xe-133)によるものであることがわかる. また,2011年3月21日(月)は地上に付着したセシウム134(Cs-134) およびヨウ素131(I-133),ヨウ素132(I-132) の影響が大きい. この日の関東圏には,が振っていた. 2011年3月25日以降の空間放射線量が徐々に減少しているが,これは半減期8 日のヨウ素131 が減少しているためと,新たな放射能物質が福島原発から来ていないからだ.
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2011 年3月15日(火)が高いのは,2011 年3月12日(土) 15:36 の1号炉の水素爆発と,2011 年3月14日(月) 11:01 の 3号炉の爆発だ. 特に,3号炉の爆発は垂直に爆発し,煙も黒ずんでいることなどから,建屋に充満した水素の爆発だけではなかったのでないかといわれている. さらに,2011 年3月15日(火) 6:10 に 2号炉の爆発音. 2011 年3月15日(火) 6:14 に4号炉で爆発音がする.
▼左写真は 1号炉の爆発で,横に広がり全体的に白ぽい煙となっている. ほとんどが水素が酸素と結びついて水蒸気になったものと,コンクリートの粉じんと思われる. ▼右写真は 3号炉の爆発で,上に花火を打ち上げるように垂直に煙りがあがた. しかも,黒っぽい煙だ. この煙には,水蒸気以外の物質が含まれているものと思われる. 1号炉の爆発と違って,建物に充満した水素の爆発以外の爆発が起こったのではないかという説がある.
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だが,より問題だったのは事故発生から10日も過ぎた2011年3月21日(月)の放射能上昇の方だ. しかし,2011年3月20日(日)から3月21日(月)にかけて,東京電力政府(官邸)からは爆発や重大事故の発表は無い. 2011年3月20日(日)に発表があったのは,「(福島第1原発の)3号炉の格納容器の圧力が危険値まで上昇,これにともない弁を開けることを一時検討したが,圧力が安定してきたようなので放出は見送った」と,なにごともなかったように発表している. だが,なぜか2011年3月21日正午前から各地の放射線が急上昇する. この発言には,「なぜ安定したなのか」が隠されている.
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2011年3月12日(土)から3月15日(火)にかけておきた福島第1原発1号炉,3号炉,2号炉,4号炉の爆発時を超えるほどの空間放射線量が,再度2011年3月21日(月) 午前中から関東各地で急上昇しているのだ. 2011年3月20日(日)に,一般市民が人が知らない何か重大な事故があったのではないか.
▼東京電力福島第1原子力発電所の爆発のから,食糧確保に走る市民. 数週間,自宅待機になるという不安からだ. 政府から「買いだめ」の批判があったが,あの時点においては必然的なものだった.
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その後,東京電力は,「2011年3月21日(月) 15:55 ごろ,福島第1原発3号炉から灰色がかった煙があがり,煙は黒くなったり灰色になったりしたが,2時間後の 18:00 すぎまでにおさまり,この時点で火は確認されていない」と発表している. だが,風の流れから深刻な放射能漏れが起きたのは,2011年3月20日(日)だったと考えられる. いまだに,東京電力側からは納得できるような技術資料の発表はない.
▼各スーパーの棚からは,ペットボトルの飲料水や,即席カップラーメンが無くなった.
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2011年3月20日(日)に,再臨界(核分裂),もしくは再再臨界があったのではと指摘する専門家もいる. 再臨界とは,臨界状態(発電状態)であった原子炉などがいったん停止して核分裂が止まっている状態になった後に,何らかの原因により再び臨界になることをいう. 3号炉に関しては,まだ東京電力は何かを隠ぺいしているようだ.
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日本分析センターがある千葉市における外部被ばく線量は,2011年3 月14 日から4 月14 日までの1カ月間が 135マイクロシーベルト(μSv). 2011年4 月14 日から5 月14 日までの1カ月間が 101マイクロシーベルト(μSv). 計 236マイクロシーベルト(μSv)となっている. また,呼吸による内部被ばく線量は,2011 年3 月14 日から5 月14 日までの2カ月間において,千葉市大気中に検出されたセシウム137が15.9マイクロシーベルト(μSv),セシウム134が6.6マイクロシーベルト(μSv),ヨウ素131が 50.8マイクロシーベルト(μSv)となっている.
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